死後の見知らぬ君
途方も無い妄想に秘める
告げるべき愛を忘れた
四畳一間の黄泉に伏す
第三次思春期
御自慢の死に様
綺麗なだけじゃないか、お前
私とと彼の愛した三毛猫
狂い咲く極彩と涙した網膜
ビヰドロ情緒


僕の中で君が死なないから僕は呼吸を終われない
カウチに沈めば醜悪な夜が甦る
シガーと珈琲と約十分間の愛
蛇は案外美味らしい
白百合の芳香と死の交錯
半端に割れた深爪の様な僕等
絶叫から混濁
幼稚に成り下がる
嘘っぱちだった一週間
胸元の穴に君のヒールを刺してくれよ


ティアージャーカーの後味の悪さ
鋭利な微笑みは鬼か悪魔か
掌の踊り子
御立派な猫を御召しになって
世界で最後の真実
あの怪物の号令を聞け
恋路で迷子
甘美なる七変化
善と悪の合いの子
然るべき愛をおくれよ


戀に戀して、夢にて散って
彼が去れば春の最期
凡庸なる欺瞞
浴槽で官能劇
一度では勿体無いから
臓物いっぱいの貴方
刹那に溺れた君の碧眼レフ
紳士と其の愛妻の前哨戦
全細胞の向かう処
未だ出逢わぬ有象無象の君へ


どうか美しく彩めて、殺めて
駅前で君を捨てた
おやすみのそのあとに
葡萄酒とラズベリージャム
唯一無二のギミックを喰らえ
キャンバス上のモラトリアム
たゆたう光彩
貴方と私の約三秒間の交信
酔狂者の思惑
壁際の味気無い愛









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